では、どうやって指定もしていないのに、特定のコレクションの一覧が表示されるのでしょうか。
-本文中

(最終更新 2024年11月09日)

【Liquid小技】自作でページネーション付きの「コレクション商品一覧」を作る

Shopifyストアのコレクション商品一覧におけるページネーションの付け方についてLiquidのサンプルコードを交えて解説します。また、カスタマイズ画面で直観的に修正ができる方法も紹介します。

先日ブログの記事一覧にページネーションを付ける方法について投稿しました。

ご興味のある方はぜひご一読ください。

【Liquid小技】自作のブログ記事に「ページネーション」を実装する方法

今回は、ブログ記事一覧ではなく商品一覧におけるページネーションの付け方について解説します。

ページネーションを付ける上での注意点

まず、注意点について。

この記事で紹介するページネーション付きの記事一覧は、コレクションページでのみ有効な方法です。

方法としては、

①セクションを作成
②コレクションのデフォルトテンプレートを修正

※②に関しては、Liquidファイルを直接修正するか、カスタマイズ画面>コレクションにて既存の一覧(たとえば、グリッド一覧)を削除(or非表示)し、セクションとして自作一覧を追加する方法になります。(個人的には、カスタマイズ画面>コレクションで、既存の一覧を非表示にしています)

※カスタマイズ画面とは、Shopifyテーマで用意されているビジュアルエディタ、ビルダーのような画面。テーマエディタともいいます。

もし、ページネーション付きの「商品一覧」セクションを作ってトップ画面とかに付けると、ほとんどうまく動作しません。ページネーションの仕組上、新しいURLのページを生成するからです。

ページネーション付き「商品一覧」サンプルコード

では、サンプルコードを見ていきましょう。

{% schema %}
{
"name": "商品一覧ページネーション",
"presets": [
{
"name": "商品一覧ページネーション"
}
],
}
{% endschema %}

{%- paginate collection.all_products by 4-%}
<div class="section-{{ section.id }}-padding gradient color-{{ section.settings.color_scheme }}">
<div class="container productBox">
<ul class="collection-products">
{%- for product in collection.all_products -%}
<li class="collection-product-item">
<a href="{{ product.url }}">
<div class="collection-product-image">
<img src="{{ product.featured_image.src | img_url: 'large' }}" alt="{{ product.featured_image.alt | escape }}">
</div>
<div class="collection-product-info">
<div class="collection-product-title"><p>{{ product.title }}</p></div>
<div class="collection-product-price">{{ product.price | money }}</div>
</div>
</a>
</li>
{% endfor %}
</ul>
</div>
</div>
{%- if paginate.pages > 1 -%}
{%- render 'pagination', paginate: paginate -%}
{%- endif -%}
{%- endpaginate -%}

ではコードを解説します。

ページネーション実装のために必要なコードは以下の3つ。

まず、記事一覧(ループ)を囲む{%- paginate collection.all_products by 4-%}{%- endpaginate -%}<。この構文により、4商品を1つのページとするページネーションが出来上がります。

次は、現在のページや全体のページ数、次のページや前のページへのリンクなどの表示。

{%- if paginate.pages > 1 -%}
{%- render 'pagination', paginate: paginate -%}
{%- endif -%}

これは「ページが1ページより多かったら」という条件分岐。すなわち、2ページ以上(ここでは5記事以上)であれば、記事一覧の下に「1、2、3」のようにページ番号がとリンクが表示するようにという「if文」です。

{%- render 'pagination', paginate: paginate -%}

renderは、Shopifyのパーツテンプレートをレンダリングする役割を持っています。後ろのpaginate: paginateは、現在のページや全体のページ数、次のページや前のページへのリンクなどを取得・表示する役割を持っています。

コレクションを設定していないのに?

実は、このLiquid文には「どのコレクションの一覧にする」という「指定」が施されておりません。

本来であれば、コレクションのハンドル(URL)などを使って指定するのですが、ここではcollection.all_productsと、ストア内のすべてのコレクションを指定しています。

では、どうやって指定もしていないのに、特定のコレクションの一覧が表示されるのでしょうか。

冒頭でも話しましたが、このサンプルコードはコレクションページのみで有効です。そのため、特定のコレクションページにこれを(サンプルコード)をセクション追加すると、(当たり前かもしれませんが)そのコレクションに属する商品の一覧が表示されるのです。

ページごとの表示件数をカスタマイズ画面で指定

{%- paginate collection.all_products by 4-%}だと、1つページに4つの商品が表示されます。表示件数を変えたいなら、「4」を別の数字に修正すればOK。

もう1つの方法として、カスタマイズ画面で直観的に修正ができる方法もあります。

カスタマイズ画面での指定ができるようにするためには、スキーマ設定が必要です。{% schema %}と{% endschema %}の以下の「setting」コードを挿入します。

"settings": [
{
"id": "product_limit",
"type": "range",
"label": "表示数を選択",
"min": 1,
"max": 12,
"step": 1,
"default": 6
}
],

カスタマイズ画面でセクション追加をしてみると、サイドバーに以下のような記事件数指定ができるボックスが生成されます。

以下にてコードを簡単に説明しておきます。

①「id」は表示精進数設定のID

②「type」は「range(幅)」で、数が指定できる。

③「min」は「最低件数」。ここでは「1」。

④「max」は「最多件数」。ここでは「12」。

⑤「step」はレンジを動かすときに増減する数。ここでは「1」。

⑥「default」はデフォルト件数。ここでは「6」。

スキーマ設定をした後は、これをLiquidに反映させる必要があります。

{%- paginate collection.all_products by 4-%}{%- paginate collection.all_products by section.settings.product_limit-%}に修正する事により、カスタマイズ画面で指定した件数でページネーションが作られます。

以上、ページネーション付きの「コレクション商品一覧」の作り方をサンプルコードを交えて説明しました。

Shopify小技のフリーマーケット

Shopifyを運営する中で、「こんなことできないのか?」という疑問は尽きません。特に初心者にとっては、難しく感じるけれども、実はすぐに活用できる小技がたくさんあります。
当サイトでは、実際に試してみて有効だったShopifyの小技を、誰でも簡単に再利用できるよう提供しています。

少し高度なLiquidのテクニックやアプリを使わずに実装できる機能、そしてカスタマイズのヒントになるアイデアなど、さまざまな情報をご用意しています。

現在、出品者は私1人ですが、 これからさらに充実させていく予定です!もしもShopifyでの設定やカスタマイズで悩んでいる方がいれば、お気軽にお問い合わせください。

もっと知りたい

このブログと運営者について

BLOG More

Liquid

3日前

【Shopify Liquid】テーマで実際使用される「render」の引数と渡り値 その役割を解説

それぞれの変数の意味を押さえておけば、ある程度は読み解くことができると思います。..

アプリ

6日前

【Shopifyアプリ】シンプル&レスポンシブ!直感的に使えるカレンダー「The Shop Calendar」でイベント・営業日を表示

The Shop Calendarは、カレンダー形式・一覧形式に加え、現在(2025年9月時点)β版としてアコーディオン形式にも対応しています。..

アプリ

3週間前

写真ギャラリーが複数作成できる!Shopify無料アプリ「GA Image Gallery」

ただし、「Advanced Setup」の方は動画を見ても最初はすんなり理解しづらいかもしれません。..

SEO

1か月前

【Shopify豆知識】だからSEOに強いのか!構造化データ(JSON-LD)について解説

しかし実際には、検索結果やGoogleショッピングにおいて、価格や在庫、バリエーション情報を正しく表示するための大事な役割を担っています。..

Liquid

1か月前

【Shopify豆知識】スキーマ設定(JSON)「t:」から始まる文字列とは‥実は変数パスではない?

Shopifyは「"t:"」以下のパスをたどって "label" の値(ここでは「クマさんのお顔」)を取得し、テーマエディタ上で表示します。..

Liquid

1か月前

【Shopify Liquid】スニペットファイルを呼び出す「render」引数と渡り値とは?

この仕組みによって、スニペットは渡されたデータに基づき、表示ロジックに沿って商品画像や商品名、価格などを表示できるようになります。..

制作アイディア

2か月前

Shopify構築をフリーランスへ代行依頼する手順(1~6)と選ぶポイント

私自身の体験としておすすめしたいのが「電話対応ができるフリーランス」を選ぶことです。..

Liquid

2か月前

【Shopify Liquid】オブジェクトの絞り込みに用いる「where」フィルタとは

たとえば、「販売元(vendor)」が「Nintendo」の商品だけを抽出したい場合は、以下のように書きます。..

制作アイディア

2か月前

Shopify構築をフリーランスへ依頼するメリットは費用だけではない!課題点も紹介

その「必死さ」や「ファイティングスピリット」は、柔軟かつ誠実な対応として依頼主にとって大きな安心材料となることも..

制作アイディア

2か月前

【リアルレポート】Shopify構築をフリーランスに依頼する際の相場と費用内訳

ECストアは今や単なる販売ツールではなく、実店舗と同じ、あるいはそれ以上に重要性と存在感を持つものとなっています。..

Js

2か月前

Shopifyにおける「カート追加」の仕組みを理解する!form送信 vs fetch API活用

fetch APIに用いられる「/cart/add.js」は、form送信の「/cart/add」と同様、「仮想的なエンドポイント」になります。..

Js

2か月前

【JavaScript】Shopify「cart.js」を読み解くための「Webコンポーネントメソッド」一覧

商品数や金額といった情報は、HTMLの「data-attribute」を使って要素ごとに管理されており、JavaScript側でそれを読み取って処理‥..

Js

3か月前

Shopifyのカスタマイズに役立つJavaScript「配列メゾット」11選を初心者向けに解説

「2005年新着!夏の水着一覧」という配列があるとします。最安値順に並び替えたいとき、「.sort()」というメソッドを使えば‥..

Js

3か月前

ShopifyではLiquidがあるのになぜJavaScriptが多用されるの?

その理由を一言で言えば、「Liquidは表示前、JavaScriptは表示後に働くから」です。..

Liquid

3か月前

Shopify 関連やおすすめ商品リストが自動生成「recommendations」活用・応用シーン

しかしカートページには、そもそも表示中の商品が存在しないため、このレコメンドの仕組みが機能しないのです。..

Liquid

3か月前

【Shopify Liquid】関連商品・おすすめ商品作成に用いられるオブジェクト「recommendations」について

このオブジェクトは、顧客の行動やストア内でのさまざまなデータを基に、自動的に関連商品を選出します。..

SEO

4か月前

Google、AIモードの導入を発表!収益減少が懸念される中、最も有力なマネタイズとは

このホテル、評価高いし、割引ついてるよ。数ステップで簡単に予約できるけど、今やる?..

SEO

4か月前

AI時代のSEOはオワコン?その真実と「違います」と言える4つの理由

たとえば「近くのコンビニを教えて」といったシンプルな質問に、毎回AIが複雑な推論や自然言語生成をしていたら、とんでもないコストになります。..

設定

4か月前

【Shopify豆知識】ヘッドレス(Headless)ってなに?

少し不気味で怪談を連想させるような響きですが、実際にはShopifyのメリットとして注目されている仕組みのひとつです。..

Liquid

4か月前

【Shopify小技】商品の「カートに追加」の仕組みをシンプルに解説(サンプルコード))

この仕組みにはLiquidだけでなく、JavaScriptやAjax、さらにはサーバー側で動くRubyなど、複数の技術が関わっている..

Liquid

4か月前

カートのノーティフィケーションやドロワーで1注文での同時購入を防ぐ方法は可能?

ノーティフィケーション(画面上部に一瞬表示される通知型カート)については、やや難易度が高めです。..

Liquid

4か月前

【Shopify Liquid】カート内で1つの注文に同時購入を防ぐシンプルな方法

ここで使われているのが、Liquidでよく用いられる「フラグ(真偽)」という考え方です。..

STORY

4か月前

なぜ鳥の巣はあんなに頑丈なのか?成功における「うまくいかない瞬間」の重要性

鳥の巣の初期段階のように、私たちの挑戦も、最初は失敗と不安定の連続です。..

Liquid

4か月前

【Shopify Liquid】商品ページの「オプション」を色か画像にしたい

そもそもShopifyの商品オプションに画像や色を登録できるのか?..

STORY

4か月前

現代言語哲学の巨人が教えてくれた「失敗する人の口癖」とは

あの時もし、あの会社に転職していたら・・..

アプリ

4か月前

【Shopifyアプリ】商品ページから簡単に見積もりを送信!履歴から下書き注文作成も可能

旅行会社、工事や建築、リフォーム業、OEM制作、ノベルティ制作、レンタル業なども十分対応できる‥..

STORY

4か月前

40代・50代にとって新たな挑戦が「苦痛」である理由・・私が救われたニーチェの言葉

苦しみがあるからこそ、深みが生まれる。..

SEO

5か月前

【ローカルSEO】AI時代「ラーメン屋」で検索上位のためのコツ&対策キーワード

ラーメンとチャーハンの欲張りセット、絶賛販売中!新宿駅から徒歩3分..

STORY

5か月前

中卒のシングルマザーが小惑星を発見!? スタンダードを破る成功者たち「ダークホース」

彼女は15歳で高校を中退し、高卒認定試験にも不合格。いわゆる「成功のレール」からは大きく外れた人生を歩んでいました。..

STORY

5か月前

新たな挑戦をするほどタバコや酒、スマホの依存が強くなる理由「悪循環の消防士たち」とは

この消防士たち、なんと「中毒」や「依存」という形で、僕たちを無理やり落ち着かせようとする。..