AI時代に入り「SEOはオワコン」とささやかれることも増えましたが、本当にそうでしょうか?この記事では、AIと検索の関係性やユーザー行動の変化をふまえ、SEOが今も有効である4つの理由をわかりやすく解説します。
こんにちは。ブログ管理人ホリです。
今日はちょっと、自分の“原点”のような話から始めさせてください。
SEOという言葉に出会って、もう10年が経ちました。
最初は旅行会社に勤めていた頃。当時、LCC(格安航空会社)がどんどん注目されはじめて、「LCCの手荷物ルール」を自社ブログでまとめてみたんです。するとその記事が、ある日突然Google検索で上位表示されて、アクセスが一気に跳ね上がった。
「え、検索ってこんなに人を呼べるの?」と驚いたのを、今でもはっきり覚えています。
そこから、SEOを学びはじめました。
その後もずっとこの業界に関わり続け、数えきれないほどのGoogleの“気まぐれ”(=コアアップデート)に翻弄されつつも、なんとかやってきました。
そして今、時代はいよいよAIへ。
「もうSEOなんて終わりじゃない?」という声も、ちらほら聞こえてくるようになりました。
でも本当にそうなのか?
今回は、自分なりの視点で「AI時代のSEOはオワコンなのか?」について、少し言葉にしてみたいと思います。
SEOはオワコンではない
結論から言うと、SEOは“オワコン”ではありません。
もちろん、AIの進化によって、昔ながらのSEO効果がそのまま期待される時代ではなくなってきているのも事実です。特に情報発信を目的としたウェブメディアの場合は、今後オーガニック検索からのアクセスが減っていく可能性が高いでしょう。
ただ、集客を目的とする企業や店舗にとっては、これからもSEOの考え方は“必須”です。だからこそ、僕は「SEOはオワコンではない」と思っています。
では、なぜ僕がSEOは終わっていない」と考えるのか。次の章では、その理由をもう少し掘り下げていきたいと思います。
「SEOオワコン」と嘆かれる背景とは
では、「SEOはオワコン」と言われるようになった背景から少し振り返ってみたいと思います。
この言葉がよく聞かれるようになったのは、主に情報発信系のWebメディアや個人ブログの世界からです。
つまり、自分の発信を検索エンジンにのせて、多くの人に読んでもらう――そんな“獲得の方法”が、通用しにくくなってきたことへの嘆きの声なんですね。
でも、ここで大事なのは、「SEO」そのものの価値が落ちたわけではないということ。本質的には、ただ「情報の入り口」が変わってきただけなんです。
・これまで:検索エンジン(Googleなど)
・これから:AI(ChatGPT、Geminiなど)
つまり、「SEO=検索エンジンで上位表示」だけではなく、AIにも“拾われる”ための設計が求められるようになってきたという話。
検索エンジンからAIへと“窓口”が変わりつつあるだけで、SEO的な考え方や仕組みづくりは、AI時代にも確実に生きています。
「SEOオワコン」ではない理由1.AIリソース問題
ではここから、「なぜAI時代にもSEOが有効なのか?」という話をしていきますね。
まず1つ目の理由は、AIの“リソース問題”です。
実は、AIって――めちゃくちゃ電気と計算能力(リソース)を食うんです。
たとえば「近くのコンビニを教えて」といったシンプルな質問に、毎回AIが複雑な推論や自然言語生成をしていたら、とんでもないコストになります。
だからこそ、ChatGPTやPerplexityのようなAIも、あらかじめ整理された情報=検索エンジンのインデックスサーバーを活用して、できるだけ効率よく答えを導き出そうとします。
つまり、「答えを作る」のではなく、「すでに信頼されている情報から答えを探す」方向に動いているということです。
この構造を踏まえると、検索エンジンで評価されている=SEO的に強いサイトやコンテンツは、AIにも“選ばれやすくなる”と考えられるわけです。
AIは魔法じゃない。効率を求めれば、Googleが既に選別した情報を頼る。だからこそ、SEOがAI時代にも“生きている”――そう言えるんです。
「SEOオワコン」ではない理由2.ぼんやりサーチの需要は今後も高い
もうひとつ、SEOがオワコンではないと僕が考える理由があります。それは「ぼんやりした検索ニーズ」がこれからも残り続けるということです。
たとえば「日光 観光」って検索、したことありませんか?
このときって、「華厳の滝に行きたい!」とか「○○旅館に泊まりたい!」っていう明確な目的があるわけじゃないんですよね。
なんとなく「日光ってどんなとこ?」とか「何か面白そうなことあるか」という、ふわっとした気持ちで検索している。
こういう検索からは「日光 温泉」「アクティビティ」「人気グルメ」みたいなサジェスト(予測キーワード)が表示されて、そこから「いいね、それ気になる」と深掘りしていく。つまり、検索エンジンが「ヒント」をくれることで、自分でも気づいてなかった興味を見つけていくわけです。
実際、ある調査では検索ユーザーの約2割が、入力後に出てくるサジェストキーワードでそのまま検索するという結果もあります。
こういった「ぼんやりサーチ」は、“答えを直接聞きたい”AI検索とはまったく違うスタイルの情報収集です。このスタイルがある限り、検索エンジンの役割は終わりません。
「SEOオワコン」ではない理由3.AI不信の加速化
3つ目の理由は、AIへの不信感です。
非常に優れた能力を持つAIですが、実はまだ不完全なところもあるんですよね。
たとえば、AIに質問して返ってきた答えが、どこから取ってきたのか分かりにくかったり、明らかに間違っていたりすることもあります。
こういった現象は「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれ、現在もAI業界の課題のひとつです。
そのため、いったんAIで調べたあとに「本当にこれで合ってるのかな?」と不安になって、Googleなどで改めて検索し直す人も少なくありません。
このような動きは、今後さらに増えていくと思われます。
僕はこれをちょっと冗談まじりに「確認射殺」と呼んでいます。
もちろん、最近のAIは出典を表示したり、参考リンクをつけてくれたりするようになってきています。
ですが、そこで紹介される情報というのは、多くの場合E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たし、検索エンジンから評価されたコンテンツです。
つまりAIに信頼されるためには、まず検索エンジンに信頼されている必要がある、ということになります。
AIとSEOはまったく別のものではなく、密接につながっている。だからこそ、AIがどれだけ進化しても、SEOの重要性は決して失われないのだと僕は考えています。
結論:SEOはオワコンではない
というわけで――
やはり結論は、「SEOはオワコンではない」です。
たしかに、これまでのように検索エンジンから大量のアクセスを集めるのは、どんどん難しくなってきています。
AIの登場によって、サイトへの“流入”そのものが減っていくことも避けられないかもしれません。
それでも、そもそもSEOの目的は「集客」や「認知の獲得」であって、その“目的”自体は、検索エンジンにしろAIにしろ、これからも変わらず重要なはずです。
ただ1つ、今後のSEOには新たな課題も出てきそうです。
たとえば、AI経由での露出や影響は、検索順位のように明確な指標で測るのが難しいかもしれません。
「どの質問に表示されたのか?」「どれだけクリックされたのか?」そんな“結果測定”の難しさが立ちはだかってくるでしょう。
そうなると、これまで以上に「どう投資対効果を説明するか」「どんな指標でPDCAを回すか」という、戦略面での設計力が求められるようになると思います。
さらにもう1つ。
すでにお伝えしたように、情報発信系のWebメディアや個人ブログにとっては、PVが収益に直結している以上、アクセス減は死活問題です。
では、そうしたメディアにとってSEOは本当にオワコンなのか?
この問いについては、また別の記事でじっくりと書いてみたいと思います。