ブラウザの再読み込みをしないと「cart.item_count」にその数値が反映されません。
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(最終更新 2025年01月04日)

【Shopify小技】BtoBビジネスに有効かも?カートに入れた数をリアルタイムで制限

ユーザーがカートに入れたアイテムの数が一定数以上でないと、チェックアウト(支払い)ページへ進む事ができないようにする手法について紹介します。

Shopifyはデフォルト機能やアプリで、BtoBビジネス(卸・仕入れ)に適した様々な機能を提供しております。

BtoBビジネスに必須な機能はいくつかあります。例えば、

・ 顧客ごとの価格設定

・ 商品やコンテンツごとのアクセス制限

・大量注文対応

・様々な支払いオプション

などが挙げられます。

今回は、BtoBビジネスで欠かせないロット(LOT)の制限について考察してみたいと思います。

ロット(LOT)とは

ロット(LOT)とは、注文の最小単位になります。

BtoBビジネスは、大量注文により、商品単価を安く設定できるため「〇〇個以上でないと購入できない」という条件付き販売が多いです。

本記事では、ユーザーがカートに入れたアイテムの数が一定数以上でないと、チェックアウト(支払い)ページへ進む事ができないようにする手法について紹介します。

こんなイメージ

例えば、冷凍アイスクリームを販売する卸売サイトのロットが100個だとしましょう。

小売業者のAさんが、以下のように注文しようとします。

・イチゴ味アイス:33個

・バニラ味アイス:33個

・チョコ味アイス:30個

合計注文数は96個で、販売ロット100個になっていないので、チェックアウトページへ遷移するボタンが表示されず、「注文可能なロットに達していません」というテキストが表示されます。

このように、カート内の注文アイテム数の合計に応じて、チェックアウトページへ遷移するボタン(ご購入手続きへ)を表示/非表示するのが今回のゴールになります。

注文アイテム数のオブジェクト

Shopifyにはもともと、注文アイテム数を取得・表示できる「cart.item_count」というオブジェクが用意されています。

単純に「cart.item_count」オブジェクを用いて条件分岐をするだけで、ボタン(ご購入手続きへ)の表示/非表示が可能になります。

ボタン(ご購入手続きへ)は「テーマコードを編集 > セクション > main-cart-footer.liquidにて修正が可能です。(テーマによって異なるかもしれませんが、約90行あたり)

以下はサンプルコードです。

{% assign item_count = cart.item_count %}
{% if item_count >= 100 %}
<button
type="submit"
id="checkout"
class="cart__checkout-button button"
name="checkout"
{% if cart == empty %}
disabled
{% endif %}
form="cart"
>
{{ 'sections.cart.checkout' | t }}
</button>
{% else %}
<p id="item_countText">最少購入ロットは100個以上です。</p>
{% endif %}

1つ問題が‥

いかがでしょうか。すごくシンプルではないでしょうか‥と締めくくりたいものの、実はこの修正だけでは1つ問題があります。

もしユーザーがカート内で数量を調整した場合、こちらのコードだけでは、ブラウザの再読み込みをしないと「cart.item_count」にその数値が反映されません。

ユーザーは「あら?調整したのになぜボタンが表示されないの?」と思うはず。もちろん「カート内で数量を調整後はブラウザを再読み込みしてください」と追記しておくという手もありますが、ちょっとユーザーフレンドリーではない‥。

実はカート内では、Shopify AJAX APIというものが活用されているようで、それを修正するのは、難易度の高い領域になります。

カート内でアイテム数の変更が検知されるとShopify AJAX APIを呼び出して合計金額など、カート情報をDOM操作する仕組みです。

可能であれば、ユーザーがカート内で数量調整をしたら、上記のサンプルコードも連動し、リアルタイムでボタン(ご購入手続きへ)の表示/非表示を制御したいものです。

Shopify AJAX APIに関しては私も正直詳しくないので、ここでは触れませんが、実は1行を修正する事で解決できます。

注目してほしいのは、main-cart-footer.liquidの構造。同テンプレートファイルは、

{%- case block.type -%}
{%- when '@app' -%}
 {% render block %}
{%- when 'subtotal' -%}
合計金額などの情報
{%- else -%}
購入ボタンなど
{%- endcase -%}

という構造となっており、{%- when 'subtotal' -%}の下の情報は、Shopify AJAX APIを呼び出し制御が施されています。

そのため、ユーザーがカート内でアイテム数を調整したら、合計金額が変動します。

しかし、{%- else -%}の下の情報はリアルタイムで更新されず、これをコメントアウト(無効)し、上記で紹介した条件文でボタン(ご購入手続きへ)の表示/非表示が可能になります。

ちなみに、{%- else -%}は、「case文」におけるデフォルト処理、例えばボタン(ご購入手続きへ)などのHTMLを生成しますが、別になくても挙動上の問題はないように見受けられます。

以上、BtoBサイトに活用できるかもしれない、注文アイテム数による条件分岐について紹介しました。もちろん、商品ページからカートページを経由せず「今すぐ購入」ボタンでチェックアウトページへ移動するケースをどうするかなど、色々課題は残りますが、カートページのカスタマイズに少しでもヒントになれたらと思い、共有いたします。

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当ブログは「Shopifyを一緒に悩んで楽しむ仲間」に向けて情報を発信するブログです。

ここで扱うテーマは、構築やカスタマイズにとどまらず、SEOマーケティングやロジスティクスといった運営全般に広がります。

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