この仕組みにはLiquidだけでなく、JavaScriptやAjax、さらにはサーバー側で動くRubyなど、複数の技術が関わっている
-本文中

(最終更新 2025年05月21日)

【Shopify小技】商品の「カートに追加」の仕組みをシンプルに解説(サンプルコード))

Shopifyの商品がどのようにカートに追加されるのか、その基本的な仕組みと手法をできるだけわかりやすく解説していきます。

Shopifyで「カートに入れる」ボタンを設置しようと思っても、初心者にとっては思いのほか難しく感じるかもしれません。

というのも、この仕組みにはLiquidだけでなく、JavaScriptやAjax、さらにはサーバー側で動くRubyなど、複数の技術が関わっているからです。

本記事では、Shopifyの商品がどのようにカートに追加されるのか、その基本的な流れをできるだけわかりやすく解説していきます。

カートボタンの設置をしたい方や、カート周りのカスタマイズを考えている方に向けて、仕組みをシンプルにご紹介します。

基本的な構造と流れ

まずは、Shopifyで「カートに入れる」処理がどのように行われているのか、基本的な構造と流れについて説明します。

もちろん、私自身もまだ学び途中の部分があり、多少の誤解が含まれているかもしれませんが、できるだけわかりやすく伝えていきたいと思います。

簡単に言えば、HTMLの「form」タグを使って、商品情報をカート側に送信する仕組みです。Shopifyでは、このフォームの送信によってカート処理が行われます。

フォームのアクション(送信先URL)は、大きく分けて次の2種類です。

/cart/add:商品をカートに追加する処理

/cart/change:カート内の商品の数量を変更する処理

の2つの処理はいずれも「Ruby on Rails」で構築されたShopifyのサーバー側によって処理されます。

フォームの送信は通常method="post"で行い、以下のような「input」要素を使って商品IDや数量を指定します。

<input type="hidden" name="id" value="商品バリアントID">
<input type="number" name="quantity" value="1">

送信されるURLは、実在する「HTMLページ」ではなく、Shopify側がカート処理専用に用意している仮想的なURLパスと考えて差し支えありません。たとえば/cart/add/cart/changeといったものがそれに当たります。

フォームの送信が成功すると、Shopifyは自動的に「/cart」ページ(カートの中身を表示するページ)へリダイレクトします。この一連の流れが、Shopifyにおける「カートに入れる」処理の基本的な仕組みです。

使われるページについて

カートに商品を追加する処理(cart/add)と、商品の数量を調整する処理(cart/change)が、それぞれ異なるエンドポイントによって行われます。そして、この2つの処理は用途によって使われるページが明確に分かれています。

まず「カートに追加」は、商品ページや商品一覧ページなど、商品ID(正確にはバリアントID)が取得できるテンプレートで使用されます。

一方「数量調整」は、すでにカートに入っている商品の個数を変更したいときに使用されます。

この処理は、主にカートページやサイドカート(ドロワーカート)のように、現在のカート内容が表示されているページで使われます。

ちなみに、商品ページでよく見かける「数量を選んでからカートに入れる」動作は「/cart/change」ではなく「/cart/add 」の input要素(name="quantity")によって実現されています。

つまり、この場合は「最初から○個カートに追加する」という考え方で、数量調整というよりは、追加時の数量指定にあたります。

実際のサンプルコードを見る

<form action="/cart/add" method="post">
<!-- 最初のバリアントIDを hidden で送信 -->
<input type="hidden" name="id" value="{{ product.variants.first.id }}">

<!-- 数量を指定できるフィールド -->
<label for="Quantity">数量</label>
<input type="number" id="Quantity" name="quantity" value="1" min="1">

<button type="submit">カートに入れる</button>
</form>

以上、Shopifyの商品がどのようにカートに追加されるのか、その基本的な仕組みと手法を紹介しました。本記事を参考に、自作の「カート追加」ボタンを作ってみてはいかがでしょうか。ぜひご活用ください!

初めまして。運営者ホリと申します。

当ブログは「Shopifyを一緒に悩んで楽しむ仲間」に向けて情報を発信するブログです。

ここで扱うテーマは、構築やカスタマイズにとどまらず、SEOマーケティングやロジスティクスといった運営全般に広がります。

中でも最も重要視するのは、Shopifyを使った構築や運営に携わる中で「大掛かりな開発と投資に頼らなくても目的を達成できる工夫」。

確かな知識と経験を土台にしながら、日々の学びを記事にまとめて、同じように試行錯誤している方々とシェアしています。 日々の実践から得た知見を記事にまとめることで、Shopifyを使う仲間たちの小さなヒントや発想のきっかけになればうれしいです。

「ちょっと聞いてみたい」「これで大丈夫?」といった気軽な相談も大歓迎です。 Shopifyを通じて一緒に試行錯誤しながら、学び合える場として、このサイトを活用していただければ幸いです。

このブログと運営者について

お問い合わせ

BLOG More

Js

2日前

【第1回目】Shopify「cart.js」のトリセツ・まずざっくり全体像を掴もう!

① onChange() → ② updateQuantity() → ③ publish → ④ connectedCallback > onCartUpdate()という順番で動いています。..

Liquid

2週間前

【Shopify小技】折りたたみブロック(collapsible_tab)にアイコンを追加したい!

「少し見た目をユニークにしたい」「renderスニペットの動きを深く理解したい」..

Liquid

3週間前

【Shopify小技】タグで絞り込むコレクションページを実装!基本となるオブジェクト「current_tags」とは

Shopifyのコレクションページでは 複数タグの「AND」条件による絞り込みが自然に実現されており‥..

設定

3週間前

【Shopifyレポート】毎月の在庫と販売数を一目で確認したい!「商品別の毎日販売された在庫最」とは

おかげで、数字に超厳しい経理担当からもめちゃくちゃ褒められたほどです。..

Liquid

3週間前

【Shopify小技】パスワードをお忘れですか?を押しても遷移しない‥エラーのシンプルな解決方法

厳密にいえば、新しいページへ遷移しているわけではなく、同じページ内でJavaScriptとCSSを使い、二つのフォームを切り替えて見せているだけ..

Flow

4週間前

【Shopify小技】Cart attributesの内容は注文一覧で確認とれない‥その対策を考えてみた

残念ながら、注文一覧の「列」にCart attributesの値を直接取得・表示する機能が用意されていません。..

Js

4週間前

【Shopify小技】購入時ログイン必須の導線改善に役立つ「最近見た商品」一覧を作成

商品数が多かったり、購入までの導線が複雑なショップでは、ユーザーが途中で迷子になってしまうこともあります。..

設定

1か月前

Shopifyを使うなら検討してみたい発送代行システム「ロジレス」使い勝手と感想

「次回のレクチャーまでにこの動画を数本観ておいてくださいね」といった“宿題(?)”も出されます。..

Liquid

1か月前

【Shopify小技】PCとスマホで違うメニュー構成にする簡単な方法

「linklists.mobile-menu.links」ではなく「linklists['mobile-menu'].links」のようにブラケット記法で記述するのが安全..

Liquid

2か月前

【Shopify小技】メタフィールドで解決!商品ごとに手動でおすすめ一覧を作成

メタフィールドでは「.value」を使って直接オブジェクト配列を扱うのが正しい方法です。..

Liquid

2か月前

【Shopify小技】関連・おすすめ商品(recommendations)から特定の商品を手動で除外する

テーマエディタで選んだ商品(除外対象)のIDを配列にまとめ、その配列に含まれていない商品だけを「unless」を使って表示する..

設定

2か月前

【Shopify豆知識】テーマレイアウトをカスタマイズしたい?なら「grid-template」を知っておくべき

「スマホではロゴを左側に、PCではロゴを中央に」といった調整も、「grid-template」の設定次第で柔軟に実現できます。..

Liquid

3か月前

【Shopify小技】PC版に左のサイドバーを設置!まず「theme.liquid」の構造を知ろう

もし「type」を設定しなかったり、誤って設定したりしてしまうと、Shopifyはそのセクションをどの領域に表示すべきか判断できません。..

設定

3か月前

【Shopify小技】商品ページごとのFAQをメタオブジェクトで実装してみた

実際には「ピックアップ可能な店舗情報」や「割れやすい商品の配送注意点」など、商品ごとに異なる補足情報‥..

Liquid

3か月前

【Shopify Liquid】テーマで実際使用される「render」の引数と渡り値 その役割を解説

それぞれの変数の意味を押さえておけば、ある程度は読み解くことができると思います。..

アプリ

3か月前

【Shopifyアプリ】シンプル&レスポンシブ!直感的に使えるカレンダー「The Shop Calendar」でイベント・営業日を表示

The Shop Calendarは、カレンダー形式・一覧形式に加え、現在(2025年9月時点)β版としてアコーディオン形式にも対応しています。..

アプリ

4か月前

写真ギャラリーが複数作成できる!Shopify無料アプリ「GA Image Gallery」

ただし、「Advanced Setup」の方は動画を見ても最初はすんなり理解しづらいかもしれません。..

SEO

4か月前

【Shopify豆知識】だからSEOに強いのか!構造化データ(JSON-LD)について解説

しかし実際には、検索結果やGoogleショッピングにおいて、価格や在庫、バリエーション情報を正しく表示するための大事な役割を担っています。..

Liquid

4か月前

【Shopify豆知識】スキーマ設定(JSON)「t:」から始まる文字列とは‥実は変数パスではない?

Shopifyは「"t:"」以下のパスをたどって "label" の値(ここでは「クマさんのお顔」)を取得し、テーマエディタ上で表示します。..

Liquid

4か月前

【Shopify Liquid】スニペットファイルを呼び出す「render」引数と渡り値とは?

この仕組みによって、スニペットは渡されたデータに基づき、表示ロジックに沿って商品画像や商品名、価格などを表示できるようになります。..

制作アイディア

4か月前

Shopify構築をフリーランスへ代行依頼する手順(1~6)と選ぶポイント

私自身の体験としておすすめしたいのが「電話対応ができるフリーランス」を選ぶことです。..

Liquid

4か月前

【Shopify Liquid】オブジェクトの絞り込みに用いる「where」フィルタとは

たとえば、「販売元(vendor)」が「Nintendo」の商品だけを抽出したい場合は、以下のように書きます。..

制作アイディア

4か月前

Shopify構築をフリーランスへ依頼するメリットは費用だけではない!課題点も紹介

その「必死さ」や「ファイティングスピリット」は、柔軟かつ誠実な対応として依頼主にとって大きな安心材料となることも..

制作アイディア

4か月前

【リアルレポート】Shopify構築をフリーランスに依頼する際の相場と費用内訳

ECストアは今や単なる販売ツールではなく、実店舗と同じ、あるいはそれ以上に重要性と存在感を持つものとなっています。..

Js

5か月前

Shopifyにおける「カート追加」の仕組みを理解する!form送信 vs fetch API活用

fetch APIに用いられる「/cart/add.js」は、form送信の「/cart/add」と同様、「仮想的なエンドポイント」になります。..

Js

5か月前

【JavaScript】Shopify「cart.js」を読み解くための「Webコンポーネントメソッド」一覧

商品数や金額といった情報は、HTMLの「data-attribute」を使って要素ごとに管理されており、JavaScript側でそれを読み取って処理‥..

Js

6か月前

Shopifyのカスタマイズに役立つJavaScript「配列メゾット」11選を初心者向けに解説

「2005年新着!夏の水着一覧」という配列があるとします。最安値順に並び替えたいとき、「.sort()」というメソッドを使えば‥..

Js

6か月前

ShopifyではLiquidがあるのになぜJavaScriptが多用されるの?

その理由を一言で言えば、「Liquidは表示前、JavaScriptは表示後に働くから」です。..

Liquid

6か月前

Shopify 関連やおすすめ商品リストが自動生成「recommendations」活用・応用シーン

しかしカートページには、そもそも表示中の商品が存在しないため、このレコメンドの仕組みが機能しないのです。..

Liquid

6か月前

【Shopify Liquid】関連商品・おすすめ商品作成に用いられるオブジェクト「recommendations」について

このオブジェクトは、顧客の行動やストア内でのさまざまなデータを基に、自動的に関連商品を選出します。..