たとえば「近くのコンビニを教えて」といったシンプルな質問に、毎回AIが複雑な推論や自然言語生成をしていたら、とんでもないコストになります。
-本文中

(最終更新 2025年06月01日)

AI時代のSEOはオワコン?その真実と「違います」と言える4つの理由

AI時代に入り「SEOはオワコン」とささやかれることも増えましたが、本当にそうでしょうか?この記事では、AIと検索の関係性やユーザー行動の変化をふまえ、SEOが今も有効である4つの理由をわかりやすく解説します。

こんにちは。ブログ管理人ホリです。

今日はちょっと、自分の“原点”のような話から始めさせてください。

SEOという言葉に出会って、もう10年が経ちました。

最初は旅行会社に勤めていた頃。当時、LCC(格安航空会社)がどんどん注目されはじめて、「LCCの手荷物ルール」を自社ブログでまとめてみたんです。するとその記事が、ある日突然Google検索で上位表示されて、アクセスが一気に跳ね上がった。

「え、検索ってこんなに人を呼べるの?」と驚いたのを、今でもはっきり覚えています。

そこから、SEOを学びはじめました。

その後もずっとこの業界に関わり続け、数えきれないほどのGoogleの“気まぐれ”(=コアアップデート)に翻弄されつつも、なんとかやってきました。

そして今、時代はいよいよAIへ。

「もうSEOなんて終わりじゃない?」という声も、ちらほら聞こえてくるようになりました。

でも本当にそうなのか?

今回は、自分なりの視点で「AI時代のSEOはオワコンなのか?」について、少し言葉にしてみたいと思います。

SEOはオワコンではない

結論から言うと、SEOは“オワコン”ではありません。

もちろん、AIの進化によって、昔ながらのSEO効果がそのまま期待される時代ではなくなってきているのも事実です。特に情報発信を目的としたウェブメディアの場合は、今後オーガニック検索からのアクセスが減っていく可能性が高いでしょう。

ただ、集客を目的とする企業や店舗にとっては、これからもSEOの考え方は“必須”です。だからこそ、僕は「SEOはオワコンではない」と思っています。

では、なぜ僕がSEOは終わっていない」と考えるのか。次の章では、その理由をもう少し掘り下げていきたいと思います。

「SEOオワコン」と嘆かれる背景とは

では、「SEOはオワコン」と言われるようになった背景から少し振り返ってみたいと思います。

この言葉がよく聞かれるようになったのは、主に情報発信系のWebメディアや個人ブログの世界からです。

つまり、自分の発信を検索エンジンにのせて、多くの人に読んでもらう――そんな“獲得の方法”が、通用しにくくなってきたことへの嘆きの声なんですね。

でも、ここで大事なのは、「SEO」そのものの価値が落ちたわけではないということ。本質的には、ただ「情報の入り口」が変わってきただけなんです。

・これまで:検索エンジン(Googleなど)
・これから:AI(ChatGPT、Geminiなど)

つまり、「SEO=検索エンジンで上位表示」だけではなく、AIにも“拾われる”ための設計が求められるようになってきたという話。

検索エンジンからAIへと“窓口”が変わりつつあるだけで、SEO的な考え方や仕組みづくりは、AI時代にも確実に生きています。

「SEOオワコン」ではない理由1.AIリソース問題

ではここから、「なぜAI時代にもSEOが有効なのか?」という話をしていきますね。

まず1つ目の理由は、AIの“リソース問題”です。

実は、AIって――めちゃくちゃ電気と計算能力(リソース)を食うんです。

たとえば「近くのコンビニを教えて」といったシンプルな質問に、毎回AIが複雑な推論や自然言語生成をしていたら、とんでもないコストになります。

だからこそ、ChatGPTやPerplexityのようなAIも、あらかじめ整理された情報=検索エンジンのインデックスサーバーを活用して、できるだけ効率よく答えを導き出そうとします。

つまり、「答えを作る」のではなく、「すでに信頼されている情報から答えを探す」方向に動いているということです。

この構造を踏まえると、検索エンジンで評価されている=SEO的に強いサイトやコンテンツは、AIにも“選ばれやすくなる”と考えられるわけです。

AIは魔法じゃない。効率を求めれば、Googleが既に選別した情報を頼る。だからこそ、SEOがAI時代にも“生きている”――そう言えるんです。

「SEOオワコン」ではない理由2.ぼんやりサーチの需要は今後も高い

もうひとつ、SEOがオワコンではないと僕が考える理由があります。それは「ぼんやりした検索ニーズ」がこれからも残り続けるということです。

たとえば「日光 観光」って検索、したことありませんか?

このときって、「華厳の滝に行きたい!」とか「○○旅館に泊まりたい!」っていう明確な目的があるわけじゃないんですよね。

なんとなく「日光ってどんなとこ?」とか「何か面白そうなことあるか」という、ふわっとした気持ちで検索している。

こういう検索からは「日光 温泉」「アクティビティ」「人気グルメ」みたいなサジェスト(予測キーワード)が表示されて、そこから「いいね、それ気になる」と深掘りしていく。つまり、検索エンジンが「ヒント」をくれることで、自分でも気づいてなかった興味を見つけていくわけです。

実際、ある調査では検索ユーザーの約2割が、入力後に出てくるサジェストキーワードでそのまま検索するという結果もあります。

こういった「ぼんやりサーチ」は、“答えを直接聞きたい”AI検索とはまったく違うスタイルの情報収集です。このスタイルがある限り、検索エンジンの役割は終わりません。

「SEOオワコン」ではない理由3.AI不信の加速化

3つ目の理由は、AIへの不信感です。

非常に優れた能力を持つAIですが、実はまだ不完全なところもあるんですよね。

たとえば、AIに質問して返ってきた答えが、どこから取ってきたのか分かりにくかったり、明らかに間違っていたりすることもあります。

こういった現象は「ハルシネーション(幻覚)」と呼ばれ、現在もAI業界の課題のひとつです。

そのため、いったんAIで調べたあとに「本当にこれで合ってるのかな?」と不安になって、Googleなどで改めて検索し直す人も少なくありません。

このような動きは、今後さらに増えていくと思われます。

僕はこれをちょっと冗談まじりに「確認射殺」と呼んでいます。

もちろん、最近のAIは出典を表示したり、参考リンクをつけてくれたりするようになってきています。

ですが、そこで紹介される情報というのは、多くの場合E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を満たし、検索エンジンから評価されたコンテンツです。

つまりAIに信頼されるためには、まず検索エンジンに信頼されている必要がある、ということになります。

AIとSEOはまったく別のものではなく、密接につながっている。だからこそ、AIがどれだけ進化しても、SEOの重要性は決して失われないのだと僕は考えています。

結論:SEOはオワコンではない

というわけで――

やはり結論は、「SEOはオワコンではない」です。

たしかに、これまでのように検索エンジンから大量のアクセスを集めるのは、どんどん難しくなってきています。

AIの登場によって、サイトへの“流入”そのものが減っていくことも避けられないかもしれません。

それでも、そもそもSEOの目的は「集客」や「認知の獲得」であって、その“目的”自体は、検索エンジンにしろAIにしろ、これからも変わらず重要なはずです。

ただ1つ、今後のSEOには新たな課題も出てきそうです。

たとえば、AI経由での露出や影響は、検索順位のように明確な指標で測るのが難しいかもしれません。

「どの質問に表示されたのか?」「どれだけクリックされたのか?」そんな“結果測定”の難しさが立ちはだかってくるでしょう。

そうなると、これまで以上に「どう投資対効果を説明するか」「どんな指標でPDCAを回すか」という、戦略面での設計力が求められるようになると思います。

さらにもう1つ。

すでにお伝えしたように、情報発信系のWebメディアや個人ブログにとっては、PVが収益に直結している以上、アクセス減は死活問題です。

では、そうしたメディアにとってSEOは本当にオワコンなのか?

この問いについては、また別の記事でじっくりと書いてみたいと思います。

初めまして。運営者ホリと申します。

当ブログは「Shopifyを一緒に悩んで楽しむ仲間」に向けて情報を発信するブログです。

ここで扱うテーマは、構築やカスタマイズにとどまらず、SEOマーケティングやロジスティクスといった運営全般に広がります。

中でも最も重要視するのは、Shopifyを使った構築や運営に携わる中で「大掛かりな開発と投資に頼らなくても目的を達成できる工夫」。

確かな知識と経験を土台にしながら、日々の学びを記事にまとめて、同じように試行錯誤している方々とシェアしています。 日々の実践から得た知見を記事にまとめることで、Shopifyを使う仲間たちの小さなヒントや発想のきっかけになればうれしいです。

「ちょっと聞いてみたい」「これで大丈夫?」といった気軽な相談も大歓迎です。 Shopifyを通じて一緒に試行錯誤しながら、学び合える場として、このサイトを活用していただければ幸いです。

このブログと運営者について

お問い合わせ

BLOG More

Js

2日前

【第1回目】Shopify「cart.js」のトリセツ・まずざっくり全体像を掴もう!

① onChange() → ② updateQuantity() → ③ publish → ④ connectedCallback > onCartUpdate()という順番で動いています。..

Liquid

2週間前

【Shopify小技】折りたたみブロック(collapsible_tab)にアイコンを追加したい!

「少し見た目をユニークにしたい」「renderスニペットの動きを深く理解したい」..

Liquid

3週間前

【Shopify小技】タグで絞り込むコレクションページを実装!基本となるオブジェクト「current_tags」とは

Shopifyのコレクションページでは 複数タグの「AND」条件による絞り込みが自然に実現されており‥..

設定

3週間前

【Shopifyレポート】毎月の在庫と販売数を一目で確認したい!「商品別の毎日販売された在庫最」とは

おかげで、数字に超厳しい経理担当からもめちゃくちゃ褒められたほどです。..

Liquid

3週間前

【Shopify小技】パスワードをお忘れですか?を押しても遷移しない‥エラーのシンプルな解決方法

厳密にいえば、新しいページへ遷移しているわけではなく、同じページ内でJavaScriptとCSSを使い、二つのフォームを切り替えて見せているだけ..

Flow

4週間前

【Shopify小技】Cart attributesの内容は注文一覧で確認とれない‥その対策を考えてみた

残念ながら、注文一覧の「列」にCart attributesの値を直接取得・表示する機能が用意されていません。..

Js

4週間前

【Shopify小技】購入時ログイン必須の導線改善に役立つ「最近見た商品」一覧を作成

商品数が多かったり、購入までの導線が複雑なショップでは、ユーザーが途中で迷子になってしまうこともあります。..

設定

4週間前

Shopifyを使うなら検討してみたい発送代行システム「ロジレス」使い勝手と感想

「次回のレクチャーまでにこの動画を数本観ておいてくださいね」といった“宿題(?)”も出されます。..

Liquid

1か月前

【Shopify小技】PCとスマホで違うメニュー構成にする簡単な方法

「linklists.mobile-menu.links」ではなく「linklists['mobile-menu'].links」のようにブラケット記法で記述するのが安全..

Liquid

2か月前

【Shopify小技】メタフィールドで解決!商品ごとに手動でおすすめ一覧を作成

メタフィールドでは「.value」を使って直接オブジェクト配列を扱うのが正しい方法です。..

Liquid

2か月前

【Shopify小技】関連・おすすめ商品(recommendations)から特定の商品を手動で除外する

テーマエディタで選んだ商品(除外対象)のIDを配列にまとめ、その配列に含まれていない商品だけを「unless」を使って表示する..

設定

2か月前

【Shopify豆知識】テーマレイアウトをカスタマイズしたい?なら「grid-template」を知っておくべき

「スマホではロゴを左側に、PCではロゴを中央に」といった調整も、「grid-template」の設定次第で柔軟に実現できます。..

Liquid

3か月前

【Shopify小技】PC版に左のサイドバーを設置!まず「theme.liquid」の構造を知ろう

もし「type」を設定しなかったり、誤って設定したりしてしまうと、Shopifyはそのセクションをどの領域に表示すべきか判断できません。..

設定

3か月前

【Shopify小技】商品ページごとのFAQをメタオブジェクトで実装してみた

実際には「ピックアップ可能な店舗情報」や「割れやすい商品の配送注意点」など、商品ごとに異なる補足情報‥..

Liquid

3か月前

【Shopify Liquid】テーマで実際使用される「render」の引数と渡り値 その役割を解説

それぞれの変数の意味を押さえておけば、ある程度は読み解くことができると思います。..

アプリ

3か月前

【Shopifyアプリ】シンプル&レスポンシブ!直感的に使えるカレンダー「The Shop Calendar」でイベント・営業日を表示

The Shop Calendarは、カレンダー形式・一覧形式に加え、現在(2025年9月時点)β版としてアコーディオン形式にも対応しています。..

アプリ

4か月前

写真ギャラリーが複数作成できる!Shopify無料アプリ「GA Image Gallery」

ただし、「Advanced Setup」の方は動画を見ても最初はすんなり理解しづらいかもしれません。..

SEO

4か月前

【Shopify豆知識】だからSEOに強いのか!構造化データ(JSON-LD)について解説

しかし実際には、検索結果やGoogleショッピングにおいて、価格や在庫、バリエーション情報を正しく表示するための大事な役割を担っています。..

Liquid

4か月前

【Shopify豆知識】スキーマ設定(JSON)「t:」から始まる文字列とは‥実は変数パスではない?

Shopifyは「"t:"」以下のパスをたどって "label" の値(ここでは「クマさんのお顔」)を取得し、テーマエディタ上で表示します。..

Liquid

4か月前

【Shopify Liquid】スニペットファイルを呼び出す「render」引数と渡り値とは?

この仕組みによって、スニペットは渡されたデータに基づき、表示ロジックに沿って商品画像や商品名、価格などを表示できるようになります。..

制作アイディア

4か月前

Shopify構築をフリーランスへ代行依頼する手順(1~6)と選ぶポイント

私自身の体験としておすすめしたいのが「電話対応ができるフリーランス」を選ぶことです。..

Liquid

4か月前

【Shopify Liquid】オブジェクトの絞り込みに用いる「where」フィルタとは

たとえば、「販売元(vendor)」が「Nintendo」の商品だけを抽出したい場合は、以下のように書きます。..

制作アイディア

4か月前

Shopify構築をフリーランスへ依頼するメリットは費用だけではない!課題点も紹介

その「必死さ」や「ファイティングスピリット」は、柔軟かつ誠実な対応として依頼主にとって大きな安心材料となることも..

制作アイディア

4か月前

【リアルレポート】Shopify構築をフリーランスに依頼する際の相場と費用内訳

ECストアは今や単なる販売ツールではなく、実店舗と同じ、あるいはそれ以上に重要性と存在感を持つものとなっています。..

Js

5か月前

Shopifyにおける「カート追加」の仕組みを理解する!form送信 vs fetch API活用

fetch APIに用いられる「/cart/add.js」は、form送信の「/cart/add」と同様、「仮想的なエンドポイント」になります。..

Js

5か月前

【JavaScript】Shopify「cart.js」を読み解くための「Webコンポーネントメソッド」一覧

商品数や金額といった情報は、HTMLの「data-attribute」を使って要素ごとに管理されており、JavaScript側でそれを読み取って処理‥..

Js

6か月前

Shopifyのカスタマイズに役立つJavaScript「配列メゾット」11選を初心者向けに解説

「2005年新着!夏の水着一覧」という配列があるとします。最安値順に並び替えたいとき、「.sort()」というメソッドを使えば‥..

Js

6か月前

ShopifyではLiquidがあるのになぜJavaScriptが多用されるの?

その理由を一言で言えば、「Liquidは表示前、JavaScriptは表示後に働くから」です。..

Liquid

6か月前

Shopify 関連やおすすめ商品リストが自動生成「recommendations」活用・応用シーン

しかしカートページには、そもそも表示中の商品が存在しないため、このレコメンドの仕組みが機能しないのです。..

Liquid

6か月前

【Shopify Liquid】関連商品・おすすめ商品作成に用いられるオブジェクト「recommendations」について

このオブジェクトは、顧客の行動やストア内でのさまざまなデータを基に、自動的に関連商品を選出します。..