Shopify制作をフリーランスに依頼する相場や費用の目安、制作会社との料金差、依頼時の注意点を実体験をもとに解説します。安さだけでなく経験値やディレクション能力も重要であり、ECストアを資産と考えた投資判断の参考になるはずです。
かつて自社のECサイトを立ち上げるにあたり、制作会社やフリーランスに数多く問い合わせを行った経験があります。
当時はShopifyを専門に扱う制作会社が今ほど多くなく、全体的に費用は高額。デザイン性や独自の機能を求めると、さらに見積もりは膨らむ傾向にあり、現実的な選択肢としてフリーランスへの業務委託を検討することになりました。
現在では自らShopifyを構築し、スキルを高めるために様々な工夫にも取り組んでいますが、当時の調査ややり取りの積み重ねは、今に生きる大切な学びとなっています。
今回はその経験を踏まえ、フリーランスにShopify制作を依頼する際の相場や費用の内訳について、具体的にご紹介していきます。
制作会社に依頼とフリーランスへの依頼、相場の差は?
Shopifyのサイト制作を依頼する際、制作会社とフリーランスでは相場に大きな差があります。
もちろん、業種や依頼主が想定するスケール感、越境ECへの対応の有無、マーケティング支援の範囲、継続的な保守契約の有無などによって変動しますが、概ね制作会社に依頼するとフリーランスの約2倍程度の費用になる印象です。
その理由として、制作会社ではディレクター、デザイナー、エンジニア、マーケターなど複数の専門スタッフがプロジェクトに関与し、その分の人件費が価格に反映される点が挙げられます。
さらに営業やディレクションといった“サブ部隊”のコストも含まれており、全体として料金は高くなりがちです。
また「丸投げ」で依頼する場合には、原稿作成や商品撮影、工程管理といった作業もパッケージに含まれるケースが多く、その分費用はさらに上乗せされます。
Shopifyフリーランスへ業務委託、相場は?
フリーランスへShopify構築を依頼する場合、制作会社に比べて費用を抑えられるケースが多いのが特徴。相場としては、サイトの規模や求める機能によって幅があります。
まず、シンプルなテンプレートを活用し、基本的なカスタマイズにとどめる場合は20万〜30万円程度が一般的です。
小規模から中規模の案件で、追加機能の実装やデザインの細かな調整を行う場合は30万〜50万円程度を見込むとよいでしょう。
さらに、実績を積みたい駆け出しのデザイナーやエンジニアであれば、10万円以下で受注するケースも存在します。
ただし、金額が低い場合には、納期や品質面で差が出やすい点には注意が必要です。フリーランスへの委託はコストメリットが大きい反面、スキルや経験値による振れ幅が大きいため、見積もり時に実績や対応範囲をしっかり確認することが重要です。
制作フローと工数目安から見る費用感
フリーランスに制作を依頼する際には、まず制作費をどのように算定するかを理解しておくことが大切です。
基本的には、各工程にかかる時間の目安に、フリーランスの時給を掛け算して算出する形になります。
主な制作フローと工数の目安
・要件ヒアリング・見積もり(サイトコンセプト・機能・商品数など確認):2〜4時間
・アカウント・ドメイン準備(アカウント作成、独自ドメイン接続、基本設定):1〜2時間
・テーマ選定・カスタマイズ(ロゴ・配色・フォントなどデザイン調整):6〜12時間
・商品登録・コレクション設定(商品情報登録・カテゴリ分け):4〜10時間
・ページ・ナビ・決済・配送設定(必須ページ、ナビ、決済・送料など設定):4〜8時間
・外部アプリ・SNS連携:2〜4時間
・テスト・調整・納品:2〜4時間
・運用サポート(任意):2〜5時間
小規模ショップの場合、合計で 21〜49時間程度が一般的な目安です。なお、ここでいう「小規模サイト」とは、基本的なShopify設定に加え、テーマに沿ったデザイン(カスタマイズはほぼなし)、商品数も少なめといった構成を指します。
機能追加やデザインの大幅なカスタマイズが入ると、60〜80時間超に及ぶケースも珍しくありません。
時給を掛け算した相場感
クラウドソーシング大手「クラウドワークス」などで実績を持つフリーランスの平均時給は 2,500〜3,000円前後です。これを前述の工数に掛け算すると、小規模サイトの場合、約6万円〜14万円程度がひとつの目安となります。
もちろん、スキルや経験値によって時給は上下しますが、工数ベースでの算定を理解しておくと、見積もりの妥当性を判断しやすくなります。
予算を重視しすぎることのリスク
小規模ECサイトを立ち上げる際には、どうしても予算に限りがあるため、料金を最優先に考えてしまいがちです。もちろん、スケールがさほど大きくなく、マーケティングのリソースをある程度確保できているのであれば、決済ツールとして機能するシンプルなサイトを安価に構築する選択肢も十分に有効です。
しかし、ECにおいてはユーザーエクスペリエンス(UX)が非常に重要であり、それを形にするためのディレクティブ能力も求められます。多少高額に感じても、実際にはEC構築の経験を持つフリーランスに依頼する方が、結果的に売上や継続的な運営面でプラスに働くことが少なくありません。
一方で、実績を積みたい駆け出しのデザイナーやエンジニアであれば、確かに低価格で受注してくれる場合もあります。しかし、その場合はディレクション能力に不足が見られることもあり、サイト全体の完成度や運用のしやすさに影響するリスクを伴います。料金面だけで判断せず、経験とコストのバランスをどう取るかを見極めることが大切です。
以上、Shopify制作をフリーランスへ依頼する際の相場や費用感について、私自身の経験と意見を述べてきました。
ECストアは今や単なる販売ツールではなく、実店舗と同じ、あるいはそれ以上に重要性と存在感を持つものとなっています。
だからこそ、一時的なコスト削減だけにとらわれるのではなく、将来的な運営や成長を見据えた資産として捉え、慎重に投資を検討することが欠かせません。
信頼できるパートナーを見極めつつ、長期的な視点で構築を進めていくことが、安定したEC運営への第一歩となるはずです。