Shopify構築をフリーランスへ代行依頼する際の手順や工程、契約で押さえるべきポイントを解説します。要件整理から見積もり、契約、構築、公開までの流れを具体的に紹介し、注意点や経験談も交えて解説。制作費だけでなく公開後の保守やコミュニケーション方法も含め、安心して依頼するための実践的な情報をまとめました。
先日「Shopify構築をフリーランスへ依頼するメリットは費用だけではない!デメリットも紹介」という記事では、予算面以外のフリーランス活用のメリットや注意点について触れました。
今回はその続きとして、フリーランスへ代行依頼する際の手順や工程、そして契約時のポイントを整理してみたいと思います。
これらは多くの情報サイトでも紹介されている「王道」の流れですが、私自身の過去の経験から「本当に役立った」と感じた点や、逆に「甘く見て失敗した」と痛感した部分も交えてお伝えします。
というのも、Shopifyの制作依頼は単なるウェブサイトの構築にとどまらず、商品登録や決済設定、アプリ連携などEC特有の工程が多く存在します。
そのため、手順や契約の重要性を軽視すると、時間的・金銭的なロスにつながりかねません。本記事では、フリーランスへの依頼を検討する方に向けて、実務に即した流れを分かりやすく解説します。
※予算的メリットは以下の記事をぜひチェックしてみてください。
【リアルレポート】Shopify構築をフリーランスに依頼する際の相場と費用内訳
Shopify構築をフリーランスに依頼する基本手順
フリーランスへ制作を代行依頼する際は、一般的な「王道」の流れがあります。家を建てるときに「設計図 → 見積もり → 工事 → 引き渡し」と進むのと同じで、Shopifyも段階を踏むことでスムーズに進行します。
①自社ビジネス目標とサイト目的の明確化
まず「誰に」「何を」「どう売りたいのか」を整理します。目的が定まらないまま依頼すると、途中で方向性がぶれてしまいます。
②依頼内容(要件)ヒアリング
商品数やブランドイメージ、希望デザイン、必要な機能、納期や予算を具体的に伝えます。例えるなら、内装工事で「床は木目で、照明は温かい色に」と注文するようなものです。
③プロジェクト計画と見積もり作成
フリーランスが要件をもとに計画を立て、費用と納期を提示します。この時点で「追加要望が出た場合の扱い」を確認しておくと後々のトラブル防止になります。
④契約締結
作業範囲・納期・支払い条件・サポート内容を明文化し、正式に契約します。ここを曖昧にすると、後で「言った・言わない」のリスクが高まります。
⑤構築実施と進捗報告・フィードバック
制作中は定期的に進捗報告を受け、気になる点をフィードバックします。これは家の工事現場を定期的に見に行くイメージです。
⑥サイト公開と運用開始
テストを経て問題なければ公開。その後の運用やサポート範囲も、事前に取り決めをしておくことが安心につながります。
上記のステップは「1つ終わったら次へ」と機械的に進めるよりも、最初の段階で全体像を共有しておくことが重要です。
たとえば「この順序で進めていきますね」「こうしたトラブルが起きやすいので、あらかじめ協力をお願いします」と冒頭で伝えておくだけで、その後のやり取りが格段にスムーズになります。
あくまで依頼主とフリーランスが同じ方向を向いて進められるように、開始時点でフロー全体を合意しておくことが、安心感と信頼関係を築く第一歩となるのです。
どんなフリーランスを選ぶべきか‥重視ポイント
フリーランス選びで最も分かりやすい判断材料は、やはり予算感と実績(ポートフォリオ)です。
ポートフォリオが提示されている場合は、必ず実際にそのサイトへアクセスしてみましょう。デザインの雰囲気やUIの使いやすさ、導入されている機能などを自分の目で確認し「こういう仕組みをうちのサイトにも取り入れたい」というリストを作成しておくと、依頼時の要望が格段に具体的になります。
さらに重要なのは、これまで紹介してきた手順をしっかり完遂してくれるかどうかです。
見積もりや契約まではスムーズでも、いざ制作が始まると進捗管理やフィードバック対応が疎かになってしまうケースも。経験豊富なフリーランスであれば、要件整理から公開後のサポートまで一通りの流れを責任感を持って対応してくれるはずです。
そしてもう一歩踏み込むなら、単に「作る」だけでなく、依頼主(ショップ運営者)の視点に立って提案してくれる人を選ぶのが理想。例えば「その機能はコストが高いので、代替案としてこちらを検討しませんか?」とアドバイスできる人は、長期的に見て信頼できるパートナーとなり得ます。
+αの注意点(個人的な感想も含めて)
ここからは、私自身の実体験を踏まえた「+α」の注意点をいくつか挙げておきます。
まず意識しておきたいのは、依頼主と受注側の認識の違いです。依頼主からすると「ECサイト制作」をお願いしているつもりでも、受けるフリーランスによっては「Shopifyの初期セッティング」程度で捉えられてしまうことがあります。
最初の段階で作業範囲をきちんと擦り合わせないと、完成後に「思っていたのと違う」と感じる原因になりかねません。
また、アプリ追加の提案についても注意が必要。フリーランスから便利なアプリ導入を勧められることもありますが、その有効性やコストを冷静に検討することが大切です。後から「必要なかったのに追加されていた」というトラブルを避けるためにも、導入目的を共有しておくと安心です。
さらに、私自身の体験としておすすめしたいのが「電話対応ができるフリーランス」を選ぶことです。
メールだけのやり取りではレスポンスにタイムラグが生じやすい。特に15時以降に送ると翌日まで返事が来ないケースも多くありました。加えて、依頼主側はECの専門用語に不慣れなことも多いため、文面だけでのやり取りには限界があります。直接の会話で認識を合わせられる環境は、結果的にプロジェクトをスムーズに進める大きな助けになります。
あわせて、制作段階だけでなく公開後の保守についても取り決めておくと安心です。 特に高度な機能を組み込んだ場合は定期的な調整が必要になることも多いため、サポート範囲を明確にしておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。
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以上、Shopify構築をフリーランスへ代行依頼する際の手順と注意点について紹介しました。
ECサイトは通常のウェブサイト制作よりも、商品登録や決済設定、配送方法の調整など大掛かりな作業が伴うため、どうしてもトラブルが起きやすい側面があります。
だからこそ依頼前の準備や契約時の確認を怠らず、信頼できるフリーランスと丁寧に進めていくことが、安心した運営につながると思います。